このページでは、機密書類の溶解処理サービスの特徴や、セキュリティ面での不安要素などについて解説しています。
溶解処理とは、機密文書などを製紙工場へ搬入して、破砕せずにそのまま溶解釜へ投入して処分する方法のことです。処理業界において約9割もの業者が、この溶解処理を行っています。
溶解処理サービスには、書類の入った段ボール箱ごと処理するケースと、紙以外を分別した後に処理するケースがあります。段ボール箱ごと処理する場合、溶解過程で紙以外のものを分別して、それぞれリサイクルすることができるため、こちらが事前に分別する必要はありません。
料金は業者によってさまざまで、ダンボール1箱で数百円の激安業者もあれば、2,000円を超える業者もあります。
処理過程のセキュリティ:△
サービスの利便性:△
溶解処理は、書類の入った段ボール箱を開梱しないまま溶解釜へ投入できるので、中身を人目に触れさせずに済みます。その点ではセキュリティ面での安心感があるでしょう。
しかし、安全性において不安要素もあります。溶解処理業者は、自社工場ではなく、製紙メーカーの工場を借りて処理することになります。したがって、製紙メーカーの都合が悪ければ、お客様の都合を優先することはできません。工場のスケジュール調整が必要なため、すぐに処分されず、しばらく保管庫に置き去りになることも少なくありません。機密情報が置き去りになるということは、それだけ情報漏洩のリスクが高まるということ。さらに、処理専門業者ではないため、セキュリティに対する認識が薄いことも不安要素です。
また、製紙メーカーの受け入れ体制に左右されてタイムリーに処理できないので、利便性もあまり良くありません。溶解処理サービスは頼んでもすぐに回収に来てくれなかったり、回収はすぐに来てくれても、製紙メーカーへの持込予約が確定して実際に搬入するまでには時間を要する場合があります。
こうした不安要素を取り除くために、出張細断サービスや専門工場破砕サービスは、まず大型のシュレッダーで情報抹消を最優先に行い、その破砕片を製紙メーカーに持ち込んでいます。ここがセキュリティ面の大きな違いです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
溶解処理 | ・手間がかからない。分別せずに溶解処理が可能 ・フタを開けることなく溶解できるので情報が漏れない ・エコロジー。再生紙へとリサイクルされます。 |
・溶解は委託が多い。1社で完結しない場合も ・工場によりセキュリティレベルはバラバラ ・目の前で処理されない |
破砕(専門工場シュレッダー)処理 | ・処理専門工場はセキュリティ体制が万全 ・エコロジー。リサイクルが可能 ・自社のシュレッダーと異なり漏洩リスクなし |
・バインダーなど書類分別が必要 ・目の前で処理されない |
焼却処理 | ・可燃物の廃棄に有効 | ・リサイクルに貢献されない ・コストがかかる |
結論、処理方法によって一概におすすめな方法はありません。溶解処理であっても、委託している場合は処理までに時間がかかったりセキュリティレベルがわからないことも。破砕(専門工場シュレッダー)処理も同様です。結局は、依頼する会社がワンストップで対応するのか、第3者からセキュリティ認証を取得しているかが見るべきポイントとなります。
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コンプラ係長
社内でコンプライアンス関連の業務に携わっています。書類の処理について、いつも口うるさく言っているので、周りからはコンプラ係長と呼ばれています(笑) いま、適切な情報漏えい対策をすることが、企業の課題になっていると思います。メールや外部メモリーなど、情報漏洩の原因は様々ですが、実は紙(書類)からの漏洩が7割を占めているのです。 社内から情報が漏れて信用問題にならないよう、早めに機密文書の廃棄業者を手配しておきましょう。
【免責事項】
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