契約書は保管期間が決まっています。では契約書の保管期間はいつまででしょうか。ここでは保管期間について解説するとともに、契約書を保管する際の注意点や保管期間が過ぎた書類の処分方法についても紹介していきます。
契約書はその種類によって保管期間が定められています。契約書の保管期間はそれぞれ異なるため管理は大変ですが、保管期間内にも関わらず捨ててしまったり紛失してしまったりすると罰則が科せられることもあるので注意が必要です。保管期間についてひとつずつ見ていきましょう。
法律によって義務付けられているわけではありませんが、文書の性質上永久保存が好ましいと考えられている書類のこと。効力存続中の契約書など企業が事業を継続する限り必要な書類は、永久保管する必要があります。
永久保管が必要な書類には以下のようなものがあります。
建築士事務所の業務に関わる図書に関しては、建築士法施行規則第21条5項によって15年間の保管が義務付けられています。
2005年に発生した構造計算書偽造問題の再発を防止するため、2007年6月20日以降、建築士事務所に関する図書の保管期間が、5年から15年に延長されました。また、業務に関する事項を記載した帳簿の保存期間についても事業年度終了後15年に延長。改正法施工後に作成された図書だけでなく、すでに作成されて保存されているものも対象となります。
保管期間が10年の契約書には、以下のようなものがあります。
保管期間が7年の契約書には、以下のようなものがあります。
保管期間が5年の契約書には、以下のようなものがあります。
紙で取り交わした契約書は、紙で保管する必要があります。契約書のスキャンデータと作っておくことは契約内容をすぐ確認できるという意味で便利ですが、あくまでスキャンデータはコピーデーターです。保管契約内はスキャンデータがあるからと、紙の契約書を破棄してはいけません。
基本的に契約書には「契約証として本証書を2通作成し、甲乙各1通を保管すること」と書かれていて、原本を破棄してしまうと契約内容に違反したことになってしまいます。紙の契約書のスキャンデータはあくまで備忘録として取り扱い、原本もしっかり保管しておくようにしましょう。
電子契約であれば、データで保管した契約書自体が原本になります。はじめから紙媒体の契約書は存在しないため、紙の契約書を残す必要はありません。
近年多くの企業において契約書を電子化する動きが活発化していますが、電子契約ならクラウド上に保管できるため保管にかかるコストも抑えることができます。検索機能を使えば必要な契約書がスムーズに取り出せるため管理の手間を省くことができ、紛失のリスクが少ないというメリットも。
現在すべての契約書が電子化されているわけではありませんが、国がデジタル化を促進していることもあり、電子契約は今後もっと増えてくるでしょう。
保管期間が過ぎた書類は適切に処分しなければなりません。処理方法には、オフィス用シュレッダーにかけて廃棄する方法と業者に溶解処理などを依頼する方法があります。それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
オフィスのシュレッダーを使用し、契約書を裁断処理する方法です。
メリットは、いつでも手軽に書類を処分できること。少量の契約書をさっと廃棄したいときには便利でしょう。
また、自分の手によって処分することができ、書類が廃棄されていく様を実際に見ることができるので安心感があります。
デメリットは、大量の書類を廃棄する際に手間と時間がかかりすぎること。ホチキスの芯やクリップ、とじ紐などを取り外す作業も必要となります。また目の粗い裁断では復元が可能な場合があり、情報漏えいリスクが高まるという点もデメリットといえるでしょう。
業者に溶解処理などを依頼する方法もあります。溶解処理とは、契約書が梱包された段ボールを未開封のまま機械に投入し、バラバラの繊維になるまで解す方法のこと。紙に書かれた情報は判読不能かつ復元不能な状態となります。
業者に依頼することのメリットは、自分たちは書類を段ボール(専用ボックスの場合も)に詰めるだけでよく、作業の手間がかからないということ。業者スタッフが回収、運搬してくれるため作業コストがかかりません。また、ホチキスやクリップを外す必要がない場合も多く、処分が簡単です。
溶解処理は焼却のように二酸化炭素を排出することがなく、地球環境に優しいこともメリットです。紙は溶解処理後にリサイクルされます。
デメリットは、業者によって信頼性や安全性に大きく差があることです。悪徳業者の場合、回収時や運搬、輸送時に情報漏洩してしまう可能性も。また、運搬中の事故による情報漏洩リスクもあります。
コンプラ係長
社内でコンプライアンス関連の業務に携わっています。書類の処理について、いつも口うるさく言っているので、周りからはコンプラ係長と呼ばれています(笑) いま、適切な情報漏えい対策をすることが、企業の課題になっていると思います。メールや外部メモリーなど、情報漏洩の原因は様々ですが、実は紙(書類)からの漏洩が7割を占めているのです。 社内から情報が漏れて信用問題にならないよう、早めに機密文書の廃棄業者を手配しておきましょう。
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