このページでは、株主総会の議事録の保管期間などについて紹介しています。株主総会の議事録は、企業が長く運営していく上で、大切な資料となります。しっかりと保管をし、紛失することがないようにしてください。
株主総会は、1年に一度は必ず開催されます。株主総会を行った際には、必ず株主総会議事録を作成しなければなりません。毎年のことなので年々議事録がたまっていくことになるわけですが、株主総会議事録は、一定期間保存しなければなりません。
法律上の取り決めだけで言えば、株主総会議事録の保存に関する直接の規定はありません。しかし、株主総会議事録は、本店では株主総会の日から計算して10年間、支店では議事録の写しを株主総会開催日から5年間、備え置いておかなくてはいけないとされています。もしこれが守られていないことが発覚した場合、代表取締役には100万円の過料が命じられると、会社法976条8号によって規定されています。つまり、最低でも10年間は株主総会議事録を保管しておかなくてはいけない、ということです。
また、議事録には「取締役会議事録」というものがあります。取締役会の日時や場所、議事の結果など取締役会の議事を記載した文書で、取締役会を設けている会社で取締役会が開催された際には、必ずこれを作成しなければいけません。
取締役会議事録に関しても、会社法371条によって、取締役会の日から数えて10年間は本店に備え置くことが義務づけられています。
上記の通り、10年間株主総会議事録を保管した後は、どのように扱えばいいかについて紹介していきます。10年がたてば、法律上は株主総会議事録の保管義務は消えたと考えていいでしょう。ただし、株主総会議事録は会社の歴史とも言えるもので、それまでにどんな議題が話し合われ、どんな結論を出して会社を運営してきたかが一目で分かるものです。会社の課題を解決するために過去にさかのぼって調査をしていくともなれば、これが非常に重要な資料となることはお分かりいただけるでしょう。特に、歴史のある会社であればなおさらとも言えます。つまり、株主総会議事録に関しては、可能な限りずっと社内で保管し、しかるべきときにすぐに閲覧・参照できるようにしておくことが推奨される、というわけです。会社にとっての重要な決定事項が記された書類であるわけですから、その重要性は言わずもがな、といったところでしょう。
株主総会議事録に関しては、紙ベースの書類だけでなく、電磁的記録によって作成・保管していくこともできます。これは、最初から電子データを作成することだけでなく、もともと紙ベースで作成されたものをスキャンするなどして電子データに変換することも含まれます。株主総会議事録は膨大な書類になりますが、これを電子データ化することによって、保管場所の問題などは大きく解消されるでしょう。ただし、電子データに変換・保存したからといって、原本である紙の株主総会議事録を安易に破棄してしまうと、それがトラブルの元になることもあります。くれぐれも、破棄については慎重に考えてください。
会社にとって株主総会議事録、取締役会議事録と並んで重要な書類に、株主名簿があります。これは、株式会社に存在する株主の名簿で、株主の人数が何人であろうと、株式会社である以上は作成する義務が課せられます。これは、だれがその会社の株を所有しているのかを明確にするためのものです。
株主名簿については、会社が株式会社であり、株主が存在している以上は、必ず作成・保管しておかなければいけません。つまり、株主名簿の保管期間については「株式会社であり、株主が存在している限り、永久的に保管する必要がある」ということになります。
株主総会議事録や取締役会議事録、株主名簿といった書類は、会社としてあり続けていくために、大変重要なものです。これを雑に扱って紛失、処分してしまったとあれば、法的に罰せられることはもちろん、会社としての信頼も大きく損ねます。書類の取り扱いは非常に難しく、それでいて普段は使用しないものですが、会社の存続に関わるものなので、必ず厳重に保管をするようにしてください。もし、数が膨大でかさばっていくということであれば、電子データ化して保管することをおすすめします。ただしその場合も、紙の書類を保管するのであればしかるべき業者に依頼をするべきですし、電子データに関しては外部の人間や社内でも権限のない人間が簡単に持ち運びできるような形では保管をしないよう、厳重な管理体制の下で取り扱うようにすること心掛けてください。それが、会社としての信用につながっていくからです。
コンプラ係長
社内でコンプライアンス関連の業務に携わっています。書類の処理について、いつも口うるさく言っているので、周りからはコンプラ係長と呼ばれています(笑) いま、適切な情報漏えい対策をすることが、企業の課題になっていると思います。メールや外部メモリーなど、情報漏洩の原因は様々ですが、実は紙(書類)からの漏洩が7割を占めているのです。 社内から情報が漏れて信用問題にならないよう、早めに機密文書の廃棄業者を手配しておきましょう。
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