法人向け機密文書廃棄マニュアル

安全な処理で情報漏洩を防ぐ!機密書類の適正な処分方法を紹介

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法律による罰則も

最も注意しなければならないのが、機密書類の処分による情報漏えい。個人情報法による罰則についてもまとめています。

機密書類処分の際の個人情報漏えいリスク

企業にとって最も恐ろしいのが、機密書類の管理を怠った場合におきる、情報漏えいです。

営業データや開発技術に関する機密情報については、企業間の話し合いで解決することが殆どで、その情報が漏えいしていたことは、ほとんど社会に知られることはありません。

一方、個人情報の漏えいについては、社会にその事実を公表する義務が企業に課されています。

個人情報の漏えいは会社に対する顧客からの信頼、そして社会からの信頼を著しく落としてしまい、企業の株価下落など、その企業の存続自体を危うくするような事故にもつながっています。

さらに、個人情報の漏えい事故による損害賠償額(慰謝料等)は、経費を含めかなりの額になることもあり、顧客が多ければ多いほど大きなダメージを及ぼします。

個人情報保護法による罰則

個人情報取り扱い事業者には、個人情報法の施法によって、情報の取り扱いについての義務が発生します。

情報の漏えいはこの義務に違反したことになり、その罰則として「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」の刑事罰が課せられます。

※参照元:総務省/個人情報取扱事業者の責務(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/business/executive/05.html)

これは、たとえ個人情報の漏えいによって実質的な被害をこうむった個人が発生しなくても、情報を正しく扱わなかったという義務違反に対して課せられるのです。

もちろん、実際に被害者が出た場合は、この刑事罰に加えて損害賠償民事訴訟のリスクがあり、大規模な補償金を支払わなくてはならない可能性があります。

特定個人情報を含む機密文書廃棄の義務化

2016年からマイナンバー制度が施行され、企業が個人情報を取り扱うとき、意識するべきポイントは増えてきました。その中でも、「特定個人情報」と呼ばれる、本人を特定できてしまうような情報は厳重に管理されるようになっています。こうした時流に伴ない、特定個人情報を含む機密文書についての法律、ガイドラインも次々と制定されていきました。たとえば、「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」では、特定個人情報を保管する際、ある程度の期間を過ぎると、廃棄か削除をすることが望ましいと記載されています。また、マイナンバーそのものは不要になった時点で、廃棄することが義務化されてきました。

同じガイドライン内では、「マイナンバーは復元できない方法で廃棄する」よう、定められています。具体的に、「焼却」「溶解」「シュレッダー」などの手段も挙げられており、企業にとっては無視できないガイドラインとなっています。

ちなみに個人番号や個人が特定できる情報ファイルを削除、もしくは電子媒体等を廃棄した際は、その作業を行った旨の記録が必要です。

特定個人情報を含む機密文書廃棄のポイント

以下、実際に特定個人情報が記載されている、機密文書を廃棄する際のポイントです。

すみやかに廃棄する

機密文書が長期間保管されていると、それだけ第三者の目に触れる可能性も大きくなってしまいます。そのため、特定個人情報は、不要になったらできるだけ早く廃棄するのが得策とされています。ただし、焦って廃棄して、方法が雑になってしまっては本末転倒です。個人情報の廃棄では、迅速さと同じくらい確実性の高さも重要なポイントです。自社内や専門業者に、セキュリティ対策の行き届いた保管庫があるなら、そこにひとまず置き、定期的にまとめて廃棄するのもひとつの方法だといえます。

確実に廃棄する

破って捨てるくらいでは、機密を守れているといいきれません。ゴミ箱を漁れば、簡単に復元できてしまいます。また、普通のシュレッダーも細かく裁断できるわけではないので安全性は低いでしょう。確実に機密文書を廃棄するのなら、専門業者に任せるのがおすすめです。そのうえで、作業が終わった後に証明書を発行してもらいましょう。

廃棄業者選びの注意点

機密文書の破棄を請け負っている業者はたくさんあります。以下、その中から適した業者を見つけるうえでの注意点を紹介します。

ネームバリューにこだわりすぎない

大手の業者なら、大がかりな設備、豊富な人手を確保できているものです。ただ、機密情報を取り扱うにあたり、もっとも大切なのはワークフローです。大手の業者は多くの他社と提携しているため、文書をさまざまな場所に移動させてしまう可能性もゼロではありません。その結果、セキュリティ対策が低い場合もありえます。依頼先はネームバリューではなく、実績で決めましょう。

自社工場の有無

焼却や溶解処理をしているなら、自社工場の有無がとても大事です。自社工場があれば、文書の保管から廃棄まで、一貫して作業できます。回収までできる業者の場合、依頼人の元から工場まで直接、文書を運べます。しかも、依頼人の希望次第で、廃棄に立ち会えるなど、柔軟に要望を汲んでくれるでしょう。他社の工場に文書を送っている業者と比べて、情報漏洩のリスクが軽減されます。

専門業者であること

料金だけを見れば、製紙メーカーや物流業者に頼むほうが「お得」と感じがちです。しかし、これらの業種は、廃棄について専門的なスキルを持ち合わせていると限りません。また、セキュリティ対策を徹底していないケースも多いのです。多少、料金が高いように思えても、セキュリティ対策を行っている専門業者に依頼しましょう。

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